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現政権のキャッチフレーズのひとつに「コンクリートから人へ」というものがあります。重点的な予算配分先として、公共事業から福祉などへの転換を図っていく姿勢を表しているものです。
税制改正の大綱を見ると、同じような構造を持ったキーワードを見つけました。それが、「控除から手当へ」というものです。
平成22年度の税制改正に関する項目の冒頭には、「平成22年度税制改正においては、「控除から手当へ」等の観点からの扶養控除の見直」すことが明記されています。
いわゆる不動産税制にかかわるものではありませんが、多くの方に(プラスにしてもマイナスにしても)影響があるものですので、この「扶養控除の見直し」について取り上げて見たいと思います。
そもそも、扶養控除とは、扶養親族(配偶者を除く居住者の親族等で同一生計である者のうち、合計所得金額が38万円以下の者)がいる場合に、親族の種類に応じて38万円~63万円(扶養親族が同居特別障害者の場合はさらに35万円を加える)を所得から控除することができるというものです。
税制改正により、この扶養控除のうち「年少扶養親族」(扶養親族のうち16歳未満)に係る扶養控除が廃止されます。
また、「特定扶養親族」(扶養親族のうち16歳以上23歳未満)のうち、年齢16歳以上19歳未満の者に係る扶養控除の上乗せ部分を廃止し、扶養控除の額が38万円となります。
今回の扶養控除の廃止については、巷間話題の「子ども手当」については15歳まで支給される見込みであり、「高校授業料の(実質的な)無償化」と併せた子育て・就学支援とのバランスを取るための廃止ということになります。
この税制改正の項目だけを見ると、23歳までの扶養親族のいる家庭では控除額の廃止または圧縮ですから、「増税」ということになりますが、15歳までは子ども手当で受け取れる額の方がはるかに多くなるはずですし、高校に通っている場合もその負担増をある程度「無償化」により相殺できることとなる、というのが現時点で予測される状況です。(今後の制度整備の内容により、変わってくるかもしれません)
一方で、「子ども手当」の財源に充当するために検討されていた(上記以外の扶養親族を対象とする)「扶養控除」と「配偶者控除」の廃止については、平成22年度の改正では見送られました。
ただし、大綱の「改革の方向性」の中ではこの2つの控除について、
「23歳から69歳までの成年を控除対象とする扶養控除についても、(中略)さらに議論を深めて幅広い国民的な合意を得ながら、今後、その見直しに取り組むこととします。」
「配偶者控除については、その考え方等について広く意見を聴取しつつ整理を行った上で、今後、その見直しに取り組むこととします」
と、それぞれ明記されていることから、いずれ廃止される時期が来るかもしれませんので、今後のライフプランを検討していく中では、一応考慮に入れておく必要があると思います。
これまでは、どちらかと言えば税制改正だけを見て「増税」「減税」ということを判断できる部分がありましたが、冒頭の「控除から手当」という流れの中では、税制だけでなくそれぞれの手当等の制度の中身がどのようなものになっているのかもあわせてチェックしていく必要があるようです。
〈YM〉
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