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昨年末から、週イチのペースで平成22年度税制改正の大綱の不動産税制や所得税に関する主な改正点について紹介してきました。
最後に、今回の大綱の冒頭に示された「各主要課題の改革の方向性」から、23年度以降どのように変わっていくのか確認しておきましょう。
なお、今回の記事にはこれまでに取り上げてきた22年度の改正点の説明の中で紹介した内容も含まれますが、改めて取り上げています。
(1)相続税・贈与税
1月8日のこのブログでも一部触れていますが、「相続税・贈与税」について今後大きな動きが出てくる見込みです。
大綱では「(前略)相続税は100人に4人しか負担しない構造となり、最高税率の引下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配機能が果たせているとは言え」ない現状を踏まえ、「今後、格差是正の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します。」としています。
基本的な考え方としては、「課税対象を広げる」「税率の引き上げ」という方向性が示されたといえるでしょう。
また贈与税については、「相続税の課税方式の見直しに併せて、現役世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直していく必要があります。」と、相続税・贈与税一体で課税方式も含めた大規模な改正に向けた議論が今年度行われていくことになるようです。
(2)固定資産税
固定資産税については、税本体ではなく“租税特別措置”に見直しが入るようです。
大綱には「(前略)「租税特別措置の見直しに関する基本方針」による見直しに加え、1)実施期間が長期にわたる措置、2)適用件数が少ない措置、3)適用金額が小さい措置のいずれかの要件に該当する政策税制措置を今後4年間で厳格に見直します。」と明記されています。
原則としては、各種の「課税の特例」を期限到来に伴ない順次廃止することで増税の方向性をとりながら、「(前略)公平性・公正性の観点から、、負担調整措置のあり方及び固定資産の適正な評価について検討を進め」ることで、全体のバランスを調整する方向のようです。
(3)個人所得課税
現状について、「(前略)累次の改正により、税率の引下げ・その適用範囲(ブラケット幅)の拡大が行われるとともに、各種控除の累次にわたる拡充によって課税最低限の引上げが行われてきており、所得再分配機能や財源調達機能が低下している状況」と分析。
今後の改革の方向性については、
「第一に、的確に所得補足できる体制を整え、課税の適正化を図るために、社会保障・税共通の番号制度の導入」 → 納税者番号制度の導入
「第二に、所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ転換」 → “控除から手当へ”が基本方針に
「第三に、(中略)株式譲渡益・配当課税の税率の見直しに取り組むとともに、損益通算の範囲を拡大し、金融所得の一体課税を進め」る
の3つの方向性が示されています。
当初、22年度税制改正で実施されるという予測もあった“配偶者控除”の廃止については、「その考え方等について広く意見を聴取しつつ整理を行った上で、今後、その見直しに取り組むこととします」として、23年度以降に先送りをされました。
その他、今後の検討項目としては
・23歳から69歳までの成年を控除対象とする扶養控除の見直し
・給与所得控除の見直し
・税率構造などの所得税改革
などが上げられています。
(4)消費税
現政権担当期間中には税率の引上げは行わないことを明示する一方で、「消費税のあり方については、今後、社会保障制度の抜本的改革の検討などと併せて、使途の明確化、逆進性対策、課税の一層の適正化も含め、検討していきます。」ということで将来の増税の方向性を示しています。
以上、4つの項目について今後の改革の方向性をご説明してきましたが、多くの項目で(全体としては)増税の方向性をとることになるようです。
現在の景気動向なども踏まえて、今年度の改正が見送られている要因もあるかと思いますので、政権交代によって税制の方向性が大きく変わるのは、むしろ23年度以降の改正になると思われますので、今後も議論の行方に注目していきたいと思います。
〈YM〉
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